倉北ニュース

竹内昌彦氏の講演を聴いて

10月29日(日)、中部地区高P連指導者研修会が倉吉交流プラザにて開催されました。研修内容は講演「私の歩んだ道」~見えないから見えたもの~(岡山県視覚障害者協会理事長 竹内昌彦氏)です。
竹内昌彦氏は終戦の年(昭和20年)に中国天津で生まれ両親に抱かれて日本へ引き上げることになったそうです。しかし、厳しい引き上げ船の環境の中で栄養失調と感染症で視力を失うことになってしまいました。幼少時にはひどいいじめを経験し、将来を絶望したこともあるが、持ち前の負けん気の強さと両親の深い愛情に支えられ教師になるという目標を見つけ困難を乗り越えられたそうです。
私が特に印象に残ったのは「私はいい親といい教師に恵まれた」という言葉でした。私は40年教師をしてきましたが、先生に出会えてよかったと言ってもらるいい教師だっただろうかと考えました。また、親としても30年わが子と過ごしてきましたが、父の子でよかったと思ってもらるいい親だっただろうかと考えました。

氏は言われました、「何のために勉強するのか」と。その答えは「立派な人になるためだ」と。そして、立派な人とは「自分のことを犠牲にしてでも人のために役立とうと思う人」のことだと。頭がいい人より優しい人のほうが上だよ、とも言われました。私は、絶望の淵に佇んだ経験のある氏の言葉に真実を感じました。教師として親としてそのようにあるべきだと思いました。
竹内昌彦氏は講演や執筆活動で得たお金でモンゴルとキルギスに盲学校を作られたそうです。忘我利他の生き方に感動しました。

校長 横山尚登